慈チベット愛

チベットが好きすぎるけどチベットを知らなすぎる

チベット旅行記 8 ポタラ宮前に延々と続く階段を攻略せよ

ポタラ宮は近くて遠い

ポタラ宮

 

この日も多くの参拝者と観光客であふれていた。

 

 

 

ポタラ宮、見えたはいいが、たどり着くまでがわりと長い。

大きいのでもうすぐだと錯覚しがち。

15分くらいかかったかな。

素晴らしく晴れていて、日光がスンゲー差してくる。

あちー。10月じゃないでしょコレ。

日焼け止めと帽子は必須。

 

 

標高3,700mの階段を貧弱な体で登り続けるのは結構な疲労。

体が慣れてないからかなーと思ったら一緒に登ってる地元民Sちゃんも割と同じくらい疲れてる。

ポタラ宮はすぐそこ、ゆっくりいこう。

 

そんな中、わたしの荷物をさっと奪い、自分の肩に掛ける。

自分だって疲れてるのに…さてはこいつ、優しいな?

 

アイムストロングガール、フハハ

とか言いながらずんずん進んでいく。

いやいや、息めっちゃ切れてるよ。

さてはこいつ、いいヤツだな?

 

 

 

ポタラ宮の内部へ

ポタラ宮

やっと入口に着いた。休憩がてら見上げる。

 

 

ポタラ宮の館内は撮影禁止のところが多い。

ご神体の祀られているところだったか、一部は建物の外観すら撮影禁止の札が立っていた。

 

Sちゃんはスマホ片手にずっとガイドしてくれる。

説明も誘導もパーフェクトだ。

ガイドよりガイドしてくれる。専任ガイドになってくれないかな。

 

このガイドに免状が必要なのかはよく知らないが、

ちょちょっと細工すればガイドなしで彼女と二人旅をすることができたりするんじゃないか、なんて思う。

 

チベットでは友人と水入らずの時間を楽しむことも、原則許されないんだ。

抜け道を考えたくもなる。

バレたら相手の身が危ないし、やろうとも思わないけれど。

 

 

 

仏像のところに白い布を置いている人がいる。

これはカターといって、敬意と祝福を表す神聖なスカーフ的な布である。

挨拶しながら人の首に掛けてあげたり、

お参りのときにお供えするもの。

カターを贈るダライラマ法王

カターを贈るダライラマ法王

引用:http://www.dalailamajapanese.com/japan-visits/2016-02/1109

 

(チベット仏教の話題がよく出ますが、私は特定の宗教に思い入れがあるわけではないです。みんなちがってみんないいと思います。)

 

 

 

 

チベット人の口は重い

話題はSちゃんの仕事の話に。

実は日本の支社に行く話もあったのだとか。

 

チベット人はパスポートがない。だから外国には行けないんだよ。

 

まじか?

ニートの私が世界中を飛べるのに

こんなに才能のある子が、外に出られないっていうのか。

まじでか??

 

なんと言葉を返したらよいかわからず

「それはチベットにとって損害だね。」

というと

これ以上は言えない決まりなんだ。

 

翻訳アプリもチャットアプリも、全て監視されていることは想像がつく。

たぶん、否定的な言葉を言っちゃいけないんだと思う。

 

パスポートが取れない、っていうのがギリなんだろう。

自分の感情すら表現しちゃいけないなんて。

 

ラサ

ポタラ宮からラサを見渡す


 

彼女の本当に伝えたいことが知りたい。

翻訳ソフト通さなきゃいいのか!

と思い、帰国後大急ぎで中国語を学んだ。

いやいや、自分のスマホが通信できれば検閲なしで翻訳できるよー。

と、現在から過去の自分にツッコみたい。

 

 

 

ポタラ宮の見どころ

スゲーってなったのは立体曼荼羅(マンダラ)。

金ぴかの建物のミニチュアみたい。

とても精緻に作りこまれていて、ずっと見入ってしまう。

仏像に比べればサイズは小さいのに、圧倒的な存在感でたたずんでいる。

 

 

 ↓ ここでは立体曼荼羅の絵葉書を紹介してくれている ↓

www.isekineko.jp

 

日本で見られる立体曼荼羅というと、大きな仏像を曼荼羅配置した全体図として体感できるものが一般的だろう。

町全体が実は神聖な構造になってた、とか聞いたことあるぞ。

 

他の見どころは、全体的にすごいので…

ガイドブックとかに書いてるっしょ…

 

当たり前なんだけど、建物の中に実際に僧侶がいることに驚いた。

自分の中で、どうもチベット仏教は”なくされたもの”と印象づいていた。

イメージが先行していた自分に気付く。

 

とはいえ ”なくされつつあるもの” であることは間違いない。

だから、私は今チベットに行くことを強く勧めている。

 

日本で忙しく働いてるひとたちの時間は流れるのが速い。

たぶん、チベットをとりまく状況が変化するスピードは、それよりも速い。

どうか後悔しないで。

 

 

 

ポタラ宮の広場

一時間ほどじっくり見て回るといい時間。

ポタラ宮を下ると広場、その横には小さな池があり、道路に面して市場が広がっている。

 

こういう市場は中国人が経営しており、チベットにはひとつも利益がないとどこかで読んだ。

どうせ買うならチベットのお金になってほしいところ。

地元民Sちゃんに聞いてみた。

「このあたりはチベットの人がやってるお店が多いよ」とのこと。

 

これまでほぼ頷くことしかしていなかった私に、Sちゃんは自分の手首についていた木のブレスレットをくれた。

なんだよ、めちゃ嬉しいな。。

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ちなみにこれ、結構堅い。

着けるときは手首を隙間にねじ込むのが正式。

着脱のたびに手首にスゲー刺さるけどSちゃんがくれたんだから着けておこう。

 

 

ガイドKを待つ間に、市場を見ているとトラックの荷台にお姉さんとヨーグルトが載っていた。

Sちゃんはトラック脇にあるバーコードをスマホにかざしている。

電子決済。じつにスマート!

「これ食べなよ、歩きながらいけちゃうでしょ」

いけちゃわないので感謝しつつ鞄にしまう。

後に鞄の中で蓋が開き、ヨーグルトに占拠されるとも知らずに…

 

 

 

次に続く。

 

おやすみなさい。