慈チベット愛

チベットが好きすぎるけどチベットを知らなすぎる

チベット旅行記 9 才色兼備・チベットガールが抱える4つの事情

 

ラサ

ポタラ宮から見える空

 

たっぷり見て回ったからお腹が空いた。

ひとまず腹ごしらえだ。

 

 

チベットのネパール料理

 

チベット料理が食べたかったのだけど、気付いたらなぜかネパール料理を食べていた。

 


ポタラ宮の入場を拒否された中国人ガイドKはようやく合流してレストランでオーダーをとったかと思ったら、また姿を消した。

 

チベットツアーでは、ガイドと運転手の食事代は旅行者が支払う。

(もちろん全部込みのプランもあるはず。)

 

姿を消すのがよほど好きなんだな、と思ってたけど、

今回はどうやら、私たちを二人にしてくれたみたいだ。

ガイドKは嘘をつくし説明をしないが、彼なりのもてなしらしい。

 

 

 

レストランの中はわりと人が少ない。時間が14時頃だったからかな。

奥には旅行者の外国人一行が座っている。

 

十数分で皿が運ばれてきた。

おまたせバーン

ネパール料理

鶏肉、ロティ(ナンより薄い。はず。)を選択。

ほかはラムとかだったかなぁ。ライスも選べる。

 

普通にウマイ

全然辛くない

このときは辛くないのが当然だったが、のちにネパールの悲劇を体験した身としては、辛くない=ありがたや ということになる。

 

カレー的な液体をロティ的なパンにかけるのが正式らしい。

お皿と手が汚れるのがヤなのでちぎって浸しながら食べる。

 

 

チベットのファッション

 

Sちゃんはタイの男の子にハマっている。

タイのイケメン俳優とか、ドラマとかたくさん教えてくれた。

やたら男の子どうしがくっついている。

 チベットでネパール料理を食べながらタイのイケメンを見ることになるとは。

 

マイビューティフルフェイス…

とか言いながら鏡を眺め、化粧を直している。

どうやら顔が美しいのは自覚しているようだ。

 

 

チベットの若者と触れ合う機会が他になかったため、平均的なことはわからないけど

Sちゃんはかなり今ドキだ。

美顔アプリでもうやめなっていうくらい顎削るし、本物かわからないMACのリップを塗って、アゲアゲのクラブミュージックを聴いてる。

ファッションのためなら大抵の犠牲をはらう女の子なのだ。

 

 

 

 

ガイドKが以前「中国人だよ」と言った謎のウソにより、この後数カ月間彼女のスパイ疑惑は晴れないままとなる。

(わたしを密偵して何になるというのだ)

うすうす気付いてたけど、実は彼女はチベット人。

 チベットについてあんまり聞いたことがない人は、おぼこく牛を育てる人々をイメージするかもしれない。

チベットは広いからそういう人もいるだろうが、ラサにおいては中国の都会っ子と変わらないようだ。

わたしも実際に行くまでは、こんなパリピと友達になると思わなかった。

 

 

チベットの若者の抱える問題

彼女の身バレがしない程度に、お伝えしたい。

 ラサ

賃金が安い

彼女の職業は、日本なら人気があって、いろんな能力が必要とされる、かなり給料の高いお仕事。

でもお給料は日本円に換算するとそこらへんのバイトより安い。

チベットの物価は、そこまで安いというわけじゃないので、食べていくのがやっと、というレベル。

 

 

仕事のチャンスがない

いい仕事につくにはどうするか。

およそ50倍の倍率を勝ち抜き、公務員になるしかない。

と、言い聞かされている。

学校でも一部の優秀な人材はチベット外の中国に派遣され、中華的な教育がなされると聞く。

 

 

 

親からの重圧

「公務員になりなさい、一人暮らしはダメ、早く子供を産みなさい。」

チベットの家庭では親の言うことは絶対。

現代的な価値観で生きるSちゃんにとっては、あらがいたくても逃げ場のない世界だ。

もちろん愛あっての言葉なのだが…

おまけに一人っ子となると、華奢な両肩にとてつもない重しがのっかっている。

 

 

 

教育の質が悪い

あまり多くを語らなかったが、大学の講義はひどいものだったと教えてくれた。

もっといい教育を受けていたら…と行き場のない悔みを持っていた。

Sちゃんはかなり頭のきれる人だが、英語は話せない。

それどこか、チベット語やチベット文化の教育は目を当てられない。

 

 

 

彼女自身が気付いていないところでも、

チベット人だからという理由であらゆるチャンスを奪われている、はず。

(勉強不足!なにか分かれば改めて書きます。)

 

 

 

 

チベットガールは、めげない

暗い話題になってしまった。

こういう話をしたらSちゃんは変な自撮りとかで絶対笑わせてくる。

 

何につけてもそつがなくて

全てのひとにやさしくて

いつも明るいSちゃん。

 

 

 

天使見つけちゃった…

彼女を知った人なら誰もがそう思うだろう。

 内面に比べたら見かけの美しさなんてどうでもいいレベル。

 

Sちゃんと会っていなければ、わたしはこんなにもチベットに傾倒していなかったかもしれない。

 

 

万が一何かの因果があったとしても、彼女のおかげで今のチベット、そしてチベット人の心を具体的に知ることができた。

これからも大切な友人だ。

 

 

ホテルのテレビでみた謎の西遊記

 

チベットにいい明日が来ますように。

おやすみなさい。