ネパール人「日本人って英語下手やんな」
「中国人?」
「日本人です」
「日本人英語下手やのにあんた英語しゃべれるんやね」
ネパール旅行中、この会話はテンプレートかっていうくらい繰り返し言われた。
ネパールで「お金」の次に多かった話題が「英語」。
単なる固定観念じゃない。
話し手は外国人接客のプロだ。
わたしたちはよーく見られている。
いくつか実例を挙げてみよう。
英語下手やね1:ポカラの商人
とくにポカラという観光地では外国人の扱いに慣れた人がいて、
ある人は歩き方とファッションだけで「日本人でしょ」と声を掛けてきた。
「アレェ?日本人なのに英語話せるね?」
この人はカシミールから来て布屋を開いている。
「日本語の看板書いてほしくて。とりあえず上がって上がって!」
悪い人じゃなさそうだし、頼み事は断らない主義だ。
「まぁお茶でもどーぞ。…ハーァ。」
あれ?一息ついちゃったよ。
看板は?てか客前でなんでそんなリラックスできるんだ。
「いいストールしてるね。ちょっといい?」
ダイエーで買った安物だけど、エキゾチックな柄のもの。
なにすんのかな、と思ったら
おもむろに端っこのねじねじを観察し始めた。
そして ミ゛ッ
エッッ 毟るんや??
さっきの質問は毟ることへの許可を求めてたんや!?
無表情で驚いてたら ボゥッ
もう驚かない。あ、燃やしたな、と認知した。
「あんまりいい素材じゃないね。」
ご名答!!
あんまり無邪気なので楽しくなってきた。
しばらく中国人がどうとか中国語講座開いたりとかして30分くらい話した。
明日家にお母さんの手料理食べにおいでよ!と言われて話を戻す。
「それで、看板は?」
「看板?あー、今紙ないから書けないんだ。」
エッッッ なんで呼んだん!?!?!
果てしない宇宙がまた広がるような、途方もない疑問を抱えて、そのままホテルに戻った。
一体なんだったのか。
英語下手やね2:スワヤンブの料理人
丘のふもとの小さな売店で晩御飯(ポテチ)を買いに行ったら、人が集まってきた。
「中国から来たの?」
いや日本から。
「日本!この人の知り合いに日本人いるよ!」
そうなんですかー。ところで辛くないポテチある?
「コレおすすめ!ねぇ、質問なんだけど日本人ってなんで英語しゃべれないの?
原爆落とされたから??」
いや、ポリシーでしゃべらないんじゃなくて、ふつうにしゃべれないだけですよ。
教育が悪いんじゃないかな…。
まあいいから話そうよ、と言ってこの人も30分くらいお話ししてくれた。
モンゴル系の人で、四か国語くらいのことばを教えてくれた。
ネパールにはいろんな人種のひとが住んでるから、ことばもたくさんある。
英語下手やね3:ゲストハウスのスタッフ
インド出身のスタッフと多国籍なメンバーで飲んでたら
「ところで日本の英語教育ってどうなってるの?」
と聞かれた。
文法とか机上がメインでほとんど話さなかった、英語話せる友達も(国内の友達も)いないと答えると
「えっ逆になんで話せるの???」
わたしはようやくここで確信した。
日本=英語下手なんだと。(遅い)
ちなみにここのゲストハウスはキャラが濃い。
かわいい犬もいっぱいいるし若者の交流場みたいで活気がある。
いちから自分達で作ってて、こだわりがすごい。
ネパール人の英語力はどうなのよ
さんざん言われて
もっと英語話せるようになろうとか、日本に帰ったら英語教育の職にでも就こうかとか思いながら
引っかかっていることがある。
ネパール英語もたいがいやで?
たしかに流暢度の水準は日本より高くてスゲー話しかけてくる。
アジアンテイストな顔立ちのおっさんとかも普通に英語を話すので不思議な感覚になる。
母語はネパール語だから、外国語として話してるので、すごいと思う。
でもクセがすごいの。
インド英語、ヒングリッシュと同じだと思う。
たとえば
- ask→aks というふうに sとkがなぜかひっくり返ったり
- school→ischool というふうに sの前になぜかiが入ったり
- park→parrk というふうに rの発音がなぜかスゲー強かったり
下手だと言ってくるのも、自分の英語を気にしているからのこと。
やったろやないか精神が刺激されたので、やったりますわ。
若い子たちには英語話せた方が得ですよ、とお伝えしたい。
英語のおもしろ動画でも見てから、おやすみなさい。