慈チベット愛

チベットが好きすぎるけどチベットを知らなすぎる

チベット旅行 2 西寧の慈悲・無慈悲

一度目を閉じると、ぐっすり深く眠っていた。

かすかな意識の中、窓からなきごえが聞こえる…

 

 

 

ンネーェ…

 

 

 

 

ンエエエーー…

 

 

 

 

ダレなのぉ、そんな声出すのはァ…?

赤ちゃんかな?隣にマンションなんかなかったぞ

猫が高まってるのかな?にしても悲哀のこもった声だな

 

  ん?   忘れてた、ここ中国だよ!

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 ホテルから空港へ

予定より長く寝ていた。

急いで準備して、昨日言い渡された空港への出発時間にロビーで待機する。

誰も送ってくれるようすがない。

キョロキョロしていると、昨日は見えなかった老父が説明してくれた。

「もう一組来るから、ちょっと待っててな。」

たぶんそう言ったのだろう。

わたしは察しが悪い部類の人間であるが、ガイドブックかブログで相乗り文化があることを知っていたので、なんとか推し量ることができた。

 

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朝改めて見ると立派な外観だ

おとなしくマズいお菓子(かまぼこみたいの)を食べて待つ。

もしかしたら今日はマズくないかもしれない。

んーやっぱりマズい。

 

残る一組は全然来ない。(待っているのはわたし一組だけ)

 

間に合わなかったらどーしよっかなぁ。

歩いたらどのくらいかかるだろう。

 

なんて思いながら外をぶらぶらする。

ぶらぶらといっても田舎のなかの田舎なのでなんもない。

日本でいうなんもないとはくらべものにならない歴然としたなんもなさ。

 

ホテルの横に畑がある。

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無表情な建物がぽつりポツリ置かれている

なに育ててんのかな。

おじいさんが何かを収穫しているようだ。

 

 

 

 

ンエーェ…

 

 

 

 

 

ンネエエーー…

 

 

 

 

あれ?声が畑の方から聞こえる?

 

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お前だったのか

いた!!

声の主は子ヤギだった。

いや子羊かもしれない。

わからないし、特段わかりたくもない。

声の主を突き止めることでわたしの心は十分満たされた。

 

体感では30分くらい待って、ようやく昨日のカップルが来た。

へいへいおはようございますな

 

今日は老父が空港まで送ってくれるようだ。

昨日は暗くてあまり見えなかったけど、中国の運転は怖い。

車間距離が全然ないし、とにかく早まらないでくれと言いたくなるような運転をする。

 

問題なく空港に着き、国内線で西寧へ。

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生絞りオレンジ、モンチッチ自販機、カラオケボックス、万里の動く歩道

たしか福州だったと思うけど、搭乗口までが異常に長かった。

走ってる人を何人か見かけた。

まさかこんなに長いと思わないですよねぇ。

時間に余裕があってよかった。

カップルよ短めに待たせてくれてありがとう。

 

 

 

西寧曹家堡空港に到着

西寧に入るといよいよチベット自治区!

どんなところか全く想像がつかない。

牛とか歩いてるのかな…オラ緊張するゾ…

日本人が立ってると浮かないかな?

 

空港にはツアーのスタッフが来てくれているはずだ。

伝えた到着時間より遅いけど、便名伝えてるし大丈夫よね。

ゲートを出て自分に向けられた旗を探す。

どんな人が出迎えてくれてるのかなー。

 

アレェ?

 

旗、ないじゃん。

 

 

しばらく探したけど全然ない。

たった今ここでは誰もわたしを必要としていない。

 

公衆電話、ないね。国際電話、繋がらないね。

数十分待ってもダメそうなので、メールでタクシーに乗る旨を伝える。

返信来ないね。それもそうだ、メール送れてないもんね。

 

タクシーはどこだ…

おそろの白い帽子被ってる宗教色溢れるおじさんたちを見つけてビビる島国精神。

(イスラム教徒の人々)

 

ふらふらしているとお兄さんが話し掛けてくれた。

「こんなとこでなにしてんの?」

「チュゴクゴワカラナイ。カー?ユー、、タクシー??」

「ノー。タクシー乗り場はあっちだよ。」

 

焦りすぎて英語も出ない。

幸いガイドブックに同じ名前のツアー会社が載っていたので、これを見せてお願いする。

(のちにこれは別の会社であったことがわかるが、近くに目的地があって助かった。

 ガイドブックが古かったからというシンプルな理由。割愛。)

 

車は高速に乗り、行き先が正しく伝わっているか確信しないまま走る。

運転手のおじさんはわたしが中国語を話せないと分かると、翻訳アプリで話しはじめた。

「翻訳アプリはいいよ、わしも翻訳アプリで友達と話してるよ。」

そうなのかぁ。

Google翻訳はVPNなしじゃ利用できないけど、みんないろんなアプリを活用している。

わたしもアプリ入れよう。あ、ネット繋がってなかった。

 

「ウェイ!」

急に大きな声を発したと思ったら、誰かと電話している。

何を話してるかわからないが、大半のタクシー運転主は電話が副業らしい。

(中国語のもしもしは 喂 wei↑ 。皆うぇいうぇい言ってるからカワイイ。)

 

そうだ、これなら意思疎通ができる。

ツアー会社に電話してもらい、状況を説明してもらう。

連絡がとれて一安心。

 

高速に乗ったので、街中までの運賃はたしか200元くらいと高めだった。

おおー、普通に高いビルが並んでて交通量も多い。

思ってたより都会だ。

緊張であまりチベットを味わう余裕はない。

 

そこやで、と大きなビルを指されるのでよくわからないけど行ってみることに。

こんな時はスマホだ。あぁネット繋がってないっ!!

 

街中まで来たら繋がるだろうと思っていた。

圏外の表示を確認した瞬間、あーわたしはここで死ぬのか、と思った。

今振り返れば大げさに聞こえるが、初めての一人旅で、当然有ると信じていたものが無いと分かったとき、ひとは絶望するのだ。

 

半泣きでよくわからないビルに入る。

鍵がかかってるけど老夫婦が入った後ろから一緒に入った。(色々だいじょうぶか)

「ニイハオ、ココ行きたい、ドコ?」

「あら、どうしたの。話し方が、ここらの人じゃないわね。」

外国人ってわからないものなのか。

さすが中国、このカタコトが方言に聞こえるとは、広いな。

おばあさんは温和で明るく、興味を持って話してくれた。

おじいさんは男気溢れるようすで昔の日本男児という感じだった。

 

 

筆談と地図で意志を伝えると、向こうの通りよ、と教えてくれた。

でも向こうじゃわからないのよ。

普段は何を考えてるかわからんと言われるわたし。

この時ばかりは全顔面神経を活動させてスゲー助けてほしい人の顔をした。やればできるもんだ。

老夫婦はとても人がよく、一回別の住所教えちゃってすごい遠回りさせてしまったけど、嫌な顔ひとつせずオフィスのドアの前まで連れて行ってくれた。

オフィスが開いてないから書いてある番号に電話で話をつけてくれた。

なんと慈悲深い。。必ず日本に帰ってあなた方の功徳を言って広めます。。。

 

心を込めて「しえしえ(谢谢 xiexie·ありがとう)」と言うと

「しえしえww」と真似された。

これ以降よく聴いてみると皆は「シェシェ」と軽く発音している。

「シェイシェイ」なんてもってのほかだ。

 

 

担当者と悲願の初対面

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西寧の一画

しばらくオフィスで待っていると、担当者が見えた。

「どうもどうも~」と久しぶりの日本語。

空港にいなかったことを謝らないのは、そういう文化なのかな。

担当者は流暢な日本語を話す若いチベット人。

名古屋で三年間留学してたらしい。

実業家といった雰囲気だ。

 

ツアー代金は4泊5日、現金で168,000円(日本円)。

こんな大金を持ち運ぶのは怖いのだが、なぜか現金。なぜか日本円。

飛行機が一日遅延してるのでキャンセル料に加え、追加料金も上乗せでがっつりとられた。

ちなみにツアー代金にはヤムドク湖という遠隔地に行くため、オプション料金が一万円ほど追加されている。

もっと安く行く方法はある。後ほど紹介する。

前後1日は車中泊なので、実質1泊2日ということになるわけだ。

 (ぐぬぬうううう)

口の中を砂利でいっぱいにしながら、じゅうななまんえんを渡す。

 

 

ATMもちゃんとありました。よかったよかった。

福州空港でも下ろせたが、安全を考慮し最低限の金額だった。

これから鉄道に乗ることを考えると、ここでも最低限にしておいたほうがいい。

ただ、ラサの初日にすぐお金が下せるか分からなかったので、念のため。

(ラサは西寧より都会だからばっちり下ろせる。)

 

ATM付近で待っててと言われ、30分くらいつっ立っていたのだが、町ゆく人たちは民族的な衣装を着ている。

チベット、来たんだなぁ…。

じんわりチベット感が染みてきた。

カタコトでも外国人と言われないわけだ、チベット人と日本人の顔は本当に似ている。

チベットにて日本の知人のドッペルゲンガーを何組か見つけたほどだ。

迎えは来なかったのでひとりでオフィスに戻る。

 

いざ青藏鉄道

 

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立派な西寧駅

 コンビニ(商店)で列車での水と食料を買いこむ。なんせ21時間の長旅だ。

ちなみにコンビニ(商店)は一目で店と分からなかった。

昼だから照明がないし、オヤジさんが店の前で座ってたから家だと思った。

 

砂埃立つ街中を高級車で駅まで送ってくれた。

潤ってるなー。

対してわたしの唇はカピカピであった。

すでにチベット、高地の洗礼だ。

チベットに行くならリップは必需品、日焼け止め効果のあるのがおすすめ。

ニベア リップケア UV 3.9g

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ここからはまたひとり。

乗り場はここで合ってるのか?

1時間前から並んでる。

みんな並んでるから、習ってわたしも並ぶ。

並ぶといっても列ではなく、もうちょっと自由な分布をとる。

押し合ったりはせず、思いのほか静かだ。

バレないようにまわりの人のチケットと自分のチケットを比べて確認する。

うむ、どうやら間違っていない雰囲気だ。(ふあん)

 

今日は長く書いた。

寝よ寝よ。おやすみなさい

 

 

 

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